TERAISM

テラです。曲や絵、動画などを作っています。

ナイトメア・アクアリウム

ご無沙汰、テラです。
前作から4ヶ月半ぶりの新曲投稿となります。大変お待たせ致しました。

なぜこんなにも間が空いてしまったのかと言いますと、以下の通りでございます。

 
はい。なんかくどくど言ってますね。
つまり何をしてたのかと言うと、絵の練習をしてたんですよね。「曲を作る人」を一旦辞して「絵を描く人」になって、しばらくの間特訓してました。その証拠に、前作投稿から今作投稿までの間にかなりの量の絵がTwitterやPixivにアップされていると思います。成長過程として楽しんで頂けてたらなら幸いなのですが、曲を聴きたいという方にとっては凄く焦れったいことをしてしまってましたね。申し訳ないです。

というわけで今作はその特訓の成果を顕す為にも、容易にMVを作り上げる訳には行かず、「(一連のツイート曰く)頑張れば2週間で投稿できる」ところを約1ヶ月以上みっちり時間をかけて仕上げたわけです。ちゃんとそれ相応の出来になったかな。気に入って頂けたなら嬉しい限りです。

というわけでいつものように楽曲解説をやっていこうと思います。
長らく「絵を描く人」として修行し、かなりの時間動画制作に向き合ってた身としては、絵とか動画とかMVの話を沢山したいわけなんですがまずは一旦落ち着いて、歌詞やアレンジなど曲についての話に触れていきたいと思います。(MVに関しての話は後半にぎっちり詰まってます)

 

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今回のテーマは「水族館」。何を隠そう私、水族館が大好きなんです。一面青に包まれた空間って、めちゃくちゃ神秘的で素敵じゃないですか?定期的に行きたくなるんですよね。「好きな公共施設ランキング」ではかなり上位に君臨します。プラネタリウムといい勝負してる。

しかしながら頭に「ナイトメア」とある通り、好きであるにも関わらずあまりハッピーな内容ではありません。(似たようなことを前作の楽曲解説でも書いた気がする)
基本的に悲哀に満ちた世界観になってます。けれど、水族館内の青暗い光や仄かに香る水の匂いというのは寂しげでありつつも凄く美しくて、そういうことを表したくもあったのであんまりにも暗すぎる曲調にはせず、あくまで綺麗なアレンジに落ち着くよう努めました。

実はこの曲、編曲が完遂したのは去年の梅雨ぐらいで、つまりは約10ヶ月以上前から用意されてたものなんですよね。
ざっくりと「エレクトリックな曲調にしよう」という思惑から始まり、じゃあエレクトリックにするなら具体的に何をすれば?と考え、そうして至った方法というのが、「ギターを使わない」という選択でした。

ギター弾きとしては、この条件を前提に作曲をするのは凄く新鮮で楽しかった記憶があります。ギターというのはコードを弾けば簡単に音の厚みが出るし、使うエフェクトによってはエレクトリックな曲調に寄せることもできるし、便利なんですよね。その証拠に、僕も処女作から前作まで全ての楽曲にギターを使用してたりしますし。そんな僕にとってギターを禁止するというルールは、一番使い慣れた武器をわざと手放すという、ある種挑戦のような感じもあって面白かったです。

結果ストリングスやシンセサウンドに頼ることとなったわけなんですが、他にドラムロールやエレクトリックなキック音も多用したおかげで前作とちょっと曲調が似ちゃいましたね。拍子も同じ6/8拍子だし。他の人の楽曲とはもちろんのこと、自分の過去作ともちゃんと差異を施してあげないといけないですね。絵だけじゃなく作曲の方もいろんなベクトルが開拓できるようにもっと頑張っていかないとな。

詞に関しては、言葉選びに凄く力を入れました。曲の世界観としては「水族館にひとり取り残された女の子」が主観になるわけなんですが、どうすれば彼女自身の寂しさと水族館の美しさとの両方を表現出来るのだろうかとずっと試行錯誤していました。というのも、この詞で完成に落ち着くまで過去に二度書き直しているんですよね。全部書き切って、やっぱ違うとなって全部消して、また全部書いて、また全部消して…。
これは自慢なんですが、僕普段はめちゃくちゃ作詞早いんです。いつも30分ぐらいで大方書き切ってしまうんですが、そんな僕にとって「二度も全部書き直す」というのは異例中の異例で、行き詰まってはその度頭を抱えていました。
今作の詞はそんなこんな乗り越えて完成されたものなので凄く思い入れがあります。是非ともゆっくり読み返してみたりもして欲しいな。

そして(僕が)お待ちかね、動画についてのお話に移ろうと思います。

今作MVは「アニメーション」「単体イラスト」「実写映像」という3つの映像表現により構築されています。
アニメーションに関しては前々作「アルベロの思惑」以上に動きある演出、単体イラストに関しては厚塗り調で計4枚分を拵え、実写映像に関しては僕の作品史上初の試みということで、こだわりてんこ盛りのMVとなりました。さながら総合格闘技です。それぞれの表現についての制作秘話的なものを、順に語っていこうと思いますね。

まずアニメーションに関して。
アニメーションは、前述の通り前々作「アルベロの思惑」のMVで使われた表現です。アニメーションはそこで初挑戦致しまして。しかしながら、完成当時はその制作の労苦に打ちひしがれてしまい、MV出来上がってから暫くは「二度とやるかいこんなもん」という思いで過ごしていたものです。
それがこのように、自ら泥に浸かりに行くかのように再び挑戦してしまうのですから人間というのは不思議なもんですね。僕がMなだけかもしれないですけど。

 

実は曲を作っていた当初、今作のMVは単体イラストと実写映像の二つだけで構成する予定でした。しかしながらそれだと表現の幅に限界があると感じて、MV制作に移った段階でやっぱりアニメを入れようと決心したわけです。自ら茨道へ進んだわけですが、おかげで動画自体のクオリティも上がったので後悔はないです。ただ、次回もやるのかと言われると怪しいです。(とか言ってまたやるんだろうなMだから)

そして次は単体イラストについて。
今まで「一枚絵MV」のために"ひとつのイラストだけ"を用意することは多々ありましたが、今回は初めて4パターン絵を用意させて頂きました。そしてイラストの舞台は全て「大水槽の目の前」としました。というのも僕自身、水族館の中で特に好きな場所が大水槽だからなんですよね。

視界には一面の青。悠々と遊泳する多種多様な魚群。左側と右側とで全く違う魚類が行き来し、それぞれでコミュニティが生まれている。まるで海の一部を大きく切り取ったかのように、魚達の生活が展示されている…。
その景色が本当に美しくてたまらなくて、なんとかその感じを表現したくて、今回4度も大水槽を描いてしまいまったわけです。そんでもって写実的なタッチになるようにわざわざ全て厚塗り調で描いてしまったわけです。いったい何百匹魚描いたんだろうか…描き込み多くて大変でしたね。はい、ドMです。

しかしながら水族館好きな割に魚にはあんまり詳しくないので、もしかしたら同じ水槽に入れてはいけない種族を同じ水槽に描いてしまってるかもしれませんが、そこは演出上目を瞑ってねということで。ごちゃごちゃした感じ、ええやん?

そして最後に実写映像について。
MV中幾度も登場しますが、これはフリー素材を使用しているわけではなく、実際に僕が撮影した映像を使っています。フリー素材を使ってもよかったのですが、当時の僕はアホだったのでその発想がなく、使うのであれば自分の撮ったものだろうということで実際に水族館へ足を運んで水槽の中を撮影しまくってたわけです。

そしてこの「当時の僕」という言い方には少し意味がありまして。というのも、撮影した動画ファイルの撮影日データを見返してみると、「2017年9月」って書いてあったんですよね。時期的には僕が処女作をアップした直後ぐらい、つまりは1年半以上前から準備されてあったものだと。
「10ヶ月前に編曲が完遂した」とは言いましたが、そもそもの曲の構成自体はずうっと前から温めていたものなんですよね。詞を書き直しまくってたりしてたのもその過程でのことでして。だから本当に思い入れが強いんですこの楽曲には。こうして長い時間を経て、漸く発表できたことを嬉しく思います。

長々と、本当に長々と綴りましたが、今作に関する楽曲解説は以上です。おそらく今回の記事が歴代楽曲解説で最多文字数ですね。ここまで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。


前の楽曲解説の時、最後らへんで「平成が終わるまでにまだ何曲か投稿したいな」とか抜かしてたんですが、見事にその宣言を破ってしまいましたね。申し訳ないです。凝り性故の弊害だと思ってお許しください…。
令和ではもっと投稿頻度を…!と言いたいところですが、また宣言を破ってもアレなのであんまり大きい声で言わないようにします(保険)

もしかしたらお気づきの方がいるかもしれないですが、なんと前々作「アルベロの思惑」から3作品連続「別れの歌」となってしまいました。テラの身に何かあったんでしょうか。やっぱりMだからなんでしょうか(?) 真相は謎です。

ちなみに次回作は全然別れの歌じゃないです。久々に明るい曲調になりそうかな。のんびり待っててくださいね〜次回もお楽しみに!

それでは。

 

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