TERAISM

テラです。曲や絵、動画などを作っています。

草々不一

 

Nintendo Switch発売されたのもう3年前だなんて信じたくないです。
どうもご無沙汰、テラです。「ご無沙汰」がデフォルトみたいになってきましたね。
 
 
 
さあて今回は約9ヶ月半ぶりに投稿しました最新作「草々不一」について解説をしていきたいと思います。9ヶ月ってやばいですね。そっちのほうが信じたくない。
当然ながら解説ブログ書くの自体も9ヶ月ぶりです。久々の執筆でドキドキしてきました。書き方ほぼ忘れてます。太字ってどうやるんだっけ?
 
 
 
■テーマ・概要
 
 
今作のテーマを強いて挙げるとするならば「別れ」でしょうか。ざっくりではありますが、一言で表すのであればこの言葉が最適解な気がします。
いつもの楽曲解説ならズバッと答えてるこの項目ですが、今回に限ってなぜこんなにも曖昧な答え方をしているのかと言いますと、今作はいつものようにテーマから作るのではなく、物語を一から自作し、それをベースとしてガッチガチに設定を固めてから曲を作ってみようという僕自身初の試みをしたからというのが理由でございます。つまり、「後天的に別れというテーマが付いた」という認識なのであえてハッキリとテーマを明示しなかったわけです。太字できました^_^
 
 
■タイトル
 
今作の詳しい解説に移る前に、まずはタイトルについてのお話をしたいと思います。
 
「草々不一」という言葉、皆さんはご存知でしょうか?「草が一つも生えない」とかそういうの想像した人はネット依存性なのでスマホ触る時間減らしましょうね。
 
 

草々不一
読み方:そうそうふいつ
別表記:草草不一

 その手紙が、時候の挨拶などの前文を省略した急なもので、十分に思いを尽くすことができなかったことを詫びるために用いられる結語。「前略」「冠省」「急呈」「急啓」「略啓」などの頭語と対応し、「早々」「不尽」「怱々不一」などの結語と同じ意味を持つ。「草々」と「不一」のどちらかが用いられる場合も多い。

(Weblio辞書より)

 
 
簡単に言えば「手紙の末尾に書くひとこと」って意味です。上にもありますが、「拝啓」ときて「敬具」と書く、みたいなアレです。「くさくさふいち」って呼んじゃダメですよ。
 
僕がこの言葉を初めて耳にしたのは、アニメ「物語シリーズ」に登場する羽川翼のセリフからでした。劇中、彼女が手紙をしたためるシーンがあり、その末尾にこの「草々不一」という言葉が使われていたのです。ちなみに僕はコンタクトでショートカットの羽川より眼鏡おさげの羽川の方が好きです。
 
今や電子に乗せて言葉を送る時代、わざわざ紙と筆を用意して言葉を届けることなんて滅多にないこのご時世ですが、そんな時代だからこそこういった古き良き言葉が輝くのではないかと思い、この言葉を元に曲を書き始めたわけでございます。改めて見返すと風情ある字面ですよね。皆さんも「iPhoneから送信」で締めくくるくらいなら「草々不一」って書いてみたくないですか?
…あ、Android…?ごめん……
 
 
 

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■MVについて
 

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今作に登場するふたりの男女。名前を航平美咲と言います。ざっくりな特徴については上記設定画の通りです。今作は全編、この航平くんの目線で物語が描かれています。
 
二人の名前の由来ですが、特に字や画数などに意味が込められているわけではなく、一発で男の子だ・女の子だとわかるような普遍的な名前にしようとしたことでこのような名付けになった次第でございます。劇中、航平くんが美咲ちゃんの名前を連呼するシーンがあるのでこの名前設定はそのシーンで活きてくるわけですね。
 
そして肝心の物語の詳細についてなんですが、それについてはあえてここでは明記しません。なんてこった!「楽曲解説ブログ」とはなんだったのか!
というのも、今回はストーリーを読み取って頂きやすいように作ったこともあり、それゆえ僕の方から全てを明かしまうのはなんだか野暮な気がしてしまったので今回は「MVたくさん見て考えてね!」ということで締めくくらせて頂きたいと思います。ー終ー
 
……と言うのはあまりに寂しいので、楽曲解説が出来ない代わりと言ってはなんですが制作の裏話についてお話させて頂きたいと思います。
 
今回は自身初のフルカラーアニメーションに挑戦ということで……とにかく非ッッッッッ常に大変でした。
キャラデザイン、絵コンテから含みで総作成期間約8ヶ月以上…どうやら一年の3分の2をこれに捧げてたらしいです。まったくそんな自覚ないです。
 

 

こちらプロジェクト開始当時のツイートです。
「coming soon…(大嘘)」
 
いままで線画をちょこまか動かす程度のアニメは作ってきましたが、ここまで本腰を入れてアニメを作ろうとしたのは正真正銘今回が初めてでしたし、分からないことだらけでとても新鮮な体験でした。と同時にアニメ作成の本当の難しさを垣間見た気がします。アニメーターはマジで偉大です。#違法アップロードを許すな
 
制作当初は不慣れゆえに基本的になかなか上手くいかない大変な制作で、なかでも一番辛かったのはわずか数十秒のワンシーンを描き終えるのに約1ヶ月かけて4回も描き直ししてしまったことですね。何を描いても何度描き直しても納得できずにもがき続けてたあの期間はいままでの創作人生を含めてもトップクラスに頭を抱えた期間でもあります。
しかしながらそういった悩みは後半になるにつれ段々と解消されていき、作業終盤はかなり筆が乗ってそれはそれはとても楽しく描けていた記憶があります。2番サビで互いが見つめ合うシーンだったり、ラストで航平が涙を拭うシーンだったりは比較的短期間で、それでいて上手に描けたのではないかと思えるお気に入りのシーンです。
 
いま完成品を見返すと「あぁ〜ここもうちょっとこうしたら良かったな」と反省点がいくつも出てきてしまってやっぱ一筋縄ではいかないなあ〜〜と思ったりもするのですが、こうして完遂できたことを思うと素直に感慨深いですね。よく頑張った自分、という気持ち。
 
 
■曲について
 
今作から少し作曲の仕方を変えてみました。というのは作曲ソフトを変えただとか打ち込む楽器の順番を変えただとかそういうことではなく、ひとつのジャンルに囚われない作り方をしようと考え始めたということです。
僕の今までの楽曲といえば、端的に「これはこういうジャンルだ」と言い切れてしまえるようなものが多くを占めていたと思います。または何かの具体的なオマージュだったり。それは新鮮味がなくて聴く側を退屈させてしまうのではないか?と思い始めたのがきっかけで、オリジナリティをより一層意識し、ちゃんと「新しいものを作ろう」という気持ちを持って臨むようにしたわけです。
今作は広義で言えばギターロックですが、その一言に囚われないギミックを沢山盛り込めたのではないかと自負しております。聴く人が「なんか新しい」と感じてくれたのなら嬉しい限りでございますが、いかがだったでしょうか?一方、「どこか懐かしい」と思ってもらえるような作風も目指していたので、そこを感じ取っていただけたらなおのこと感無量でございます。オリジナリティとノスタルジーの間を突くような作品が現在の僕の理想の形なので、これからもそういう路線でものを作れたらなあと思っております。
 
雰囲気としては全体的に夏っぽさを彷彿とさせるような作りになった訳ですが、これは一体いつごろ作られた曲なのでしょうか。
これ実は作り始めたのは去年の春頃、つまり2019年3月末から大切に大切に作り続けてた曲なんです。
今までにも"昔作りあげた曲(ストック)を引っ張り出して投稿する"ということは何度かありましたが、今回はそれらとは違い「作り続けてた」わけなので群を抜いて思い入れが詰まっているのです。総制作期間約1年…アニメ制作に負けない長期間制作をこちらでもしてしまっていました。
とはいえ大胆な改変はあまりしてなくて、むしろ微調整をめちゃくちゃ丁寧にし続けていたと言った方が正確ですね。なので大まかなところは制作当初からあまり変えていないのです。ギターも半分ぐらいは1年前に僕が弾いたものをそのまま使ってますし。でも長きに渡ってこの曲と対峙してきたことはやはり事実ですので、これを新曲と銘打って投稿するのは個人的にはちょっとだけ違和感を覚えることでもあるんです。僕にとってはもはや懐メロなんですよ。「親の声より聴いた曲」タグ付けようか迷いました。
 
■詞について
 
今作の詞は全編を通して口語調で構成されています。誰かに話しかけるような、言葉を届けるために語っているような、そんな書き方を心がけました。それは前述したように「物語ベースで曲を作ること」「航平目線の世界観で作ること」を意識したからというのが理由なわけですが。
 
それゆえに、今回は感情表現にかなり力が入りました。基本的に「悲しい」という感情を軸に詞が構成されている訳ですが、「悲しさによる虚無感」だったり、「悲しさによる怒り」だったり、「悲しさによる自暴自棄感」だったり、「悲しい」から派生されるさまざまな感情というのにもフォーカスして、より深い心理描写が出来たのではないかと思います。
そして同じくらい情景描写にも力を注いでおり、文を見ただけで風景が思い浮かぶような、そんな構成を目指して作詞に臨みました。中にはMVとセットでようやく意味を発揮するような表現も隠されていますので、詳しくストーリーを読み解きたいという方はMVと詞を上手いこと食べ合わせて考察して頂ければなと思います。
 
また、音やリズム的にも上手く抑揚をつけることが出来たのではないかと思っております。歌詞がぎっちり詰まったAメロ・Bメロでは音程の上下があまりないぶん耳心地の良い歌い上げにしようと思いリズム重視で作り、比較的歌詞が少ないサビではメロディアスで耳に残りやすいフレーズにしようと思い大胆な音程移動を施しました。
流れるようなAメロ・Bメロとドラマチックなサビの二段構造で、詞の印象を強いものにすることが出来たのではないでしょうか。
 
ちなみにアニメが制作期間8ヶ月、作曲が1年以上ときていますが、作詞に関してはわずか2日で書き終わりました。極端が過ぎる!
というか僕はいつも詞から曲を作り始めるので、この詞に込めた世界観全てを表現するためにはあとの行程であるところの作曲・MV制作はどうしても力を入れざるを得なかった、というのが正確なところなんですよね。なんてったってMVに投影したストーリーはすべてこの作詞段階で構想していたものなんですから。にしても作詞当時フワフワと思い浮かべてたものが1年越しにこうして形になったのですからやはり感慨深いと言わざるを得ません。なんか似たようなことさっきも言ったな。あまりに制作期間が長かったので作り終わったという実感を度々忘れてしまう…感慨深さを感じるのにもラグが起きちゃうんです。
 
 
 
【まとめ】
 
本楽曲は"別れ"をテーマにしたコンピレーションアルバム、「AIWAMARE」に収録されております。
一応表立ってはテーマに沿って曲を書き下ろしたという形ではあるのですが、お声掛けして頂いたタイミングが偶然今作制作中でして、結果的に「別れをテーマにした楽曲」という冠をつけてリリースすることが出来たというのが実の所なのでございます。後天的にテーマが付いたっていう前半の話はここの裏事情にも繋がってくるわけですね。
 
 
「AIWAKARE」は現在、メロンブックスさんにて委託販売をしておりますので興味のある方はチェックしてみてください。下記URLにて通販も行っています。友達が作った他の楽曲もめちゃくちゃ良いので是非とも!
 
 
 
さて、今回は僕の人生史上最大規模での制作の成果をお披露目した訳ですが、皆さんいかがだったでしょうか?作った本人である僕としてはなかなか頑張ったなあという気持ちでございます。とはいえ時間と成果が必ずしも比例する訳では無いとは思っているので、拙くなってしまった箇所は素直に受け止めて次に繋げたいと思いますし、なによりひとつの作品に8ヶ月以上打ち込むことが出来たというこの事実をいち創作者として誇っていきたいですね。
そしてこのブログを経てもう一度作品を見返していただけると、面白い発見が見つかるかもしれません。是非とも何度も観て聴いて楽しんで頂きたいです。
 
今作を作ったことによって長期スパンでものを作ることに慣れてしまった節があるので、これからの制作にどれくらいの熱量と時間を注いで臨んでいけばいいのかというのは地味に悩みどころなわけですが…いずれにしろ僕の好きなようにやるというスタイルは変わらないのでほどよく見守っていただければ僕は嬉しいです。
 
ただ最後に、ここまで読んでくださった方に向けて期待させるようなことを言うとするならば、
航平くんと美咲ちゃんの話はまだこれだけでは終わりません。
 
来る次回作をお楽しみに。
それでは。
 
 
iPhoneから送信
 
 

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境内に猫ひとり

 

最近は湿気が強すぎて10分ギター弾くだけでネックが手汗でギットギトになります。どうもテラです。今回も愉快に楽曲解説やっていきましょう。

 

■概要

今作のテーマは「皮肉」。のちの作詞の項に重複するので、テーマに関する詳しい内容は後述します。
その前にまずはどういう経緯でこの曲が生まれたかということを綴ろうと思います。

そもそも僕という人間は、割と頻繁に神社へ足を踏み入れている類のものでして、神社というものを感覚としてかなり身近なものと捉えてるんです。家の近所だったこともあり、中学生の時には親によく朔参りへ連れてもらったりもしてて月一の頻度で境内の景色を見ていましたね。参拝の基本である「二礼二拍手一礼」は何度も何度も繰り返した結果、頭に刷り込まれました。校外学習で稲荷神社行ったとき、参拝の所作が適当な友達を見て「拍手の前に二礼しないとダメなんやで」とか条件反射で言っちゃたことがあります。そのぐらい刷り込まれました。ちなみに友達からは普通にウザがられました。

そして、僕が頻繁に訪れていた神社ではよく野良猫がうろついていたんです。なので僕の中では自然と「境内=猫の溜まり場」という式が成り立っていたんですよね。題名のワードチョイスはこういった経験が由来となっています。
そして、「一匹」ではなく「一人」と形容してる理由について、これも作詞に関するお話なので次の項にて解説いたします。



■詞

突然ですが、仏頂面の猫を見て皆さんはどう感じますか?可愛いって思います?それとも何も感じない?
僕は、「ナメられてるな」って思います。

いきなりひねくれた発言をしてごめんなさい。
でもちょっと想像してみてください。気だるげに佇み、常に眠そうな顔で、興味なさげにこちらを睨む猫ってなんだか人間を見下してるみたいに見えませんか?「あーなんか変なのがおるわ」って思ってそうじゃないですか?

そういった気付きをきっかけに、「人間を上から目線で皮肉る猫」を表現しようとしたのが今回の詞です。ここでテーマ回収。
人間っていうものは、自分を装うために猫を被るし、ちょっとの誘惑で簡単に誰かに惚れ込むし、でも結局は自分を一番溺愛してるし、平気で人に迷惑をかけるし、その当てつけに人を困らせたり腹立たせたりするし、行き詰まったらすぐ神頼みしたりするし…なんて愚かしい生き物なんだろうなあ。
みたいな、人間が人間たらしめるダメな部分を嫌味っぽく突っついてくる猫の独り言を描いた感じです。見返してみると、割と精神にグサッとくる表現が多いですね。僕も自分で書き綴っていながら「痛たたた…」となったりもしました。そこまで言わなくてもいいだろ猫……

でも確かに境内という空間に限って言うならば、手水舎で手を洗い、財布から大切な小銭を取り出し、それを賽銭箱に投げ入れ、鈴を大きく鳴らしたあと、二礼二拍手一礼する…なんていう人間の動作は猫側からしたら意味わかんないですよね。そりゃ変な奴らだなあって馬鹿にされても仕方ないのかもしれない。

しかしながら、今回の詞はおマヌケに猫が他の猫に惚れる描写で締めくくられています。
これはつまり、「お前も簡単に惚れてんじゃねえか!」というツッコミが出来るわけです。だから、結局は猫も人間と一緒、愚かで惚れっぽい生き物なんだということです。
そこがつまり「猫"一匹"」ではなく「猫"一人"」である所以なのです。

それに対し、最終サビでは「人は鳴く」という表現があります。これに関しては前述した主張の逆、または同じとも取れます。つまり「人間も猫と一緒」という考え方。人間だって誰かを見下したり、ゴロゴロと気ままに過ごしたりしますよね。つまり待遇を取れば「境内に人一匹」と題を付けることも出来るわけです。

愚かな人間を愚かしく思う猫は愚かなひとりの人間と変わりないし、それを見て愚かだなあって思ってる僕も愚かな一匹の猫と変わりない。猫vs人間の主張のぶつかりなんていうのは結局堂々巡りなんです。神社だけにね。(無理矢理感)



■曲

今作の曲調は和風ロックです。と言ってもクールなタイプのものではなく、おちゃらけた雰囲気の方です。軽快なバンドサウンドに加え、ブラスや木琴、パーカッションをふんだんに使い、スチャラカと賑わしい雰囲気にしてみました。前項で述べた通り歌詞が結構辛辣なので、それとは裏腹にノリノリの曲調を乗っけたことで大きなギャップを与えられたのではないかと思います。

そして今作はテラの作品史上初のデュエットソングです。前からボーカロイドを2人起用することに憧れを持っていたので、今回念願が叶って嬉しいです。個人的な聞きどころはサビ終わりに「にゃんにゃん」と歌っている箇所です。作者はここ聴くたびに可愛さに悶絶してます。あーもうか〜わいッッ
それと、「ひとり」ってタイトルについてるのにふたり歌ってるじゃん!ってことに関してはスルーして頂けると幸いです(あとから気付いた)

 


■絵・動画

 

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絵に関して詳しい話をしますと、
背景には細かな描き込みを、キャラには比較的ラフな描き込みを施したことで双方の印象にギャップを与え、背景に対し登場人物がポップに浮き出るよう調整致しました。アニメのワンシーンみたいなイメージを目標に描いてみましたが、いかがでしたでしょうか。

人物は巫女さん一人、その周りで群がる猫たち、それをぶすっとした表情で俯瞰する一匹(一人)の猫。
曲と同様に今回はイラストも賑やかに仕上げました。個人的には、シーンごとにコロコロと表情を変える巫女さんがお気に入りです。慌てふためく「人」とのんびり過ごす「猫」の対比が上手くいったんじゃないかなあと思います。

今回の絵では僕がこの歌で伝えたかった情景を鮮明に再現できたのでとても満足しています。最近になってようやく「絵に対する満足感」をちゃんと得られるようになった気がしているので、この調子でどんどんイラストの精度を高めながら満足感を培っていきたいですね。


動画に関して。最近は他クリエイターさんの動画編集をお手伝いをしたりもして、徐々に「動画師・テラ」の印象を広げられていってるのではないかと思っております。だからその想いも込めて、ちゃんと「見れる作品」を作ろうという気で最近は動画編集に臨んでおります。

今回は和っぽいカットを随所随所に挟み、曲調に合った日本風な印象を施してみました。紅色、便利なのでこれからも和風を意識する演出の時はまた使いたいなと思います。そして、実はほんのちょっとだけ「化物語」の影響を受けてたりしてます。黒駒、みたいなアレです。最近はインプット感覚でアニメ見ちゃいますね。シャフトはいいぞ。


■まとめ

前回の楽曲解説での「月イチペースで投稿したい」という発言に反して2ヵ月近くお待たせしてしまった今回ですが、いかがでしたでしょうか。1ヶ月分の遅れはちゃんとクオリティに反映されてましたかね…?というか、僕の「投稿頻度上げたいな」っていう発言はだいたい信用ならないんでもうこれから先は極力言わないようにします(戒め)
※ちなみに前作が「犬」で今作が「猫」という流れ、実は全く狙ってなかった偶然です。ミラクル動物シリーズ。

今回は「神社」「猫」といった視覚的なテーマと、「人間に対する皮肉」という感覚的なテーマの中庸を上手く取れたのではないかと自負しております。デザイン性の力とメッセージ性の力を兼ね備えた感じで、曲としての存在圧がかなり強くなったように僕は思っています。この構成は作ってて楽しいのでまたこれから出すであろう作品でも同じような作り方で挑戦してみたいですね。

神社というのは面白いもので、鳥居をくぐり、参道を通ってお宮で参拝、そして来た道を戻り鳥居から出ていく…というこの一連の流れは「生まれ変わり」を意味しているらしいです。参拝には、人々の汚れた心を浄化する効果を持っているんだそうな…
そんなカタルシスにも似た効力がもしこの曲にも宿っていたなら、作者冥利に尽きる思いです。どうかまた再生ボタンを押して参拝に来て頂けると幸いです。お賽銭も、二礼二拍手一礼も不要です。大量の猫、そして一人の猫とともに境内でお待ちしています。

次作もお楽しみに。
それでは。

 



Underdog

一番好きなASMRのジャンルは「指のタップ音」、どうもテラです。指で指を叩くタプタプ音がたまらないですよね。

さて、今回もいつものように楽曲解説をつらつらと綴っていこうと思います。このブログを経て、今作に対し新たな見解を見つけたり、深く没入してくれたりしたなら僕としては嬉しい限りでございます。それでは早速いきましょう。

 

 


■テーマ

 

youtu.be


まず曲の概要について。
今作のテーマは「劣等感」です。
皆さんは他者と自分とを比較して、その間にある差や違いに悩んだことはありませんか?
例えを出すなら、テストの点数、50m走のタイム、カラオケの得点、収入の多さ、なんていう数での優劣。または、どれだけ優しいか、どれだけ面白いか、どれだけ可愛いか、格好いいか、なんていう数値化不可なところでの優劣。
努力でなんとかなるものもきっとあるとは思いますが、悩みに関わるものは大抵が努力ではカバーしきれないものだろうと思います。
創作者なんていう立場も、日々こういった悩みに苛まれているものです。僕もそんな一派のひとりです。人からの評価とか、運の良さとか、技術以前にどうしようもないものが付きまとってて、そういった類の「自分と他者の差」を見つめてはその度に「なんで俺はこんなにダメなんだ…」と肩を竦めたりする。何もやる気が起きなくなって、気付いたら何も創作しないまま一日が終わってしまったりする。落ち込みすぎて「励まし彼女」なるASMR動画を聞き始めたりする(※実話)

「そんなに傷を負ってまで創作やるのってどうなの」というご意見はごもっともです。しかし今回はそこを逆手にとって、敢えて焦点にして、僕自身が抱える苦悩をそのまま歌として形にしてみた次第でございます。こんな下らないエピソードの割には、結構かっこよく仕上がったのではないでしょうか。

 

 

 

■タイトル

"Underdog"、日本語で「負け犬」って意味です。
今作を作っている期間は、何に対しても「自分は劣ってる」と感じてしまっていて、かなり精神が擦り切れた思いで日々を過ごしていました。
自分は自己肯定感をある程度持っている人間だと思い込んでた分、そんな状態の自分に気づいた時はびっくりでした。ふと自分を客観視してみたら、「俺って負け犬じゃん」と思ってしまった…タイトルはそんな出来事が由来となっています。

負け犬って生き物は、「負け」と書いてある割に実は誰よりも負けず嫌いで、それと同時に誰よりも劣等感に敏感なんですよね。だからこそ、「世の中勝ち負けじゃないよね」とか言ってる奴に限って勝敗に執着するし、「人の価値は数字じゃないよね」とか言ってる奴に限って隣の席のやつに「今回地理何点だった?」とか聞き出すし、「ゲームは楽しんでやらなきゃね」とか言ってる奴に限ってスマブラで負けたら「コントローラー反応せんかっただけやし」とか言い訳するんですよ。まあこれ全部僕なんですけど。

 

 


■詞

今回の歌詞は僕の作品では珍しく、パーソナルな部分の描写が多くなりました。僕が僕自身を表そうとした結果だから当然っちゃ当然なのですが、こういう作風の曲を投稿したのは初めてなので新鮮ですね。
捉え方によっちゃただの愚痴みたいにも聞こえてしまうんで、正直皆さんにどう思われるのか不安な部分はあったんですが、これも僕という人間の一部だということをちゃんと表明しておかないといけない気がしたので、作品として昇華させ、公開させていただいた次第でございます。もしもお口に合ったのであれば幸いです。

それにしてもかなり卑屈な描写が多くなってしまいましたね。ですがやっぱり、偉大な功績を収めた人だとか、どデカい勝利を遂げた人だとか、凄い人が沢山いる世の中だとどうしても嫉妬の念は生まれてしまうもんで、卑屈な表現も自然と出てしまうんです。もはや条件反射みたいなものです。「敗者」が「敗者」から抜け出せない間は、「勝者」はいつまでも輝かしく、羨ましく、恨めしく見えてしまうもんなんです。みっともないですね。ホントお見苦しくて申し訳ない。

そんな負け犬の自分、輝かしい人間になんて到底太刀打ちできない…ならば、せめて「勝者」である奴らよりも長く息をして、奴らよりも長く生きられたなら、それは僕の勝ちということにしようじゃないか。というような言い分で今作の詞は締めくくられています。
一見、対戦相手の死に際を待機し、その死を喜ぶ、性格も往生際も悪い勝負師みたいな主張に見えますが、これは決して「卑怯な思考」でも「溜飲が下がる思い」でも「せこい不戦勝」でもありません。これは「忍耐の賜物」であり「爽快な達成感」であり「正真正銘の完全勝利」です。ネガティブな人生観からの、絞り出したかのような精一杯のポジディブです。
だって、辛酸舐めながら生きた人間が、幾度の局面で挫けながらも辛酸舐め続けた結果、やっとこさ「勝者」を追い越したその瞬間ぐらい、喜ぶべきだと思うんですよね。「勝った」と胸張って言えるべきだと思うんですよね。そういった思いのもと、今作はあのような詞で幕を閉じることに決めたのです。無理矢理にでも前を向けるような、そんな締め方にしたかったのです。
そういや、天才は短命ってよく言いますよね。ならば勝機はあります。負け犬万歳、長生きして最後の最後に笑ってやりましょう。毎日ちゃんと8時間は寝ようね。

 

 


■曲

前々々作がジャズ、前々作がクリスマスソング、前作がエレクトロときて、その反動なのか今作はゴリゴリのロックとなりました。ロックな曲調は「肺胞に潜る」以来ですね。
楽器編成はわかりやすくギター、ベース、ドラムのみで、その他の楽器を一切使わない素直なバンドサウンドを提供できたのではないかと思います。
しかしながら、実は使ってるコードが不協和音コードばっかだったり、一曲を通しての緩急がめちゃくちゃ激しかったりで、曲の展開自体は全然素直じゃなくて、むしろかなり捻くれ者です。タイトルに恥じない「外道感」を目指したために、このような構成になりました。精一杯走ったと思えばすぐに息切れして減速したり、生気満々で力強く挑んだらこてんぱんにやられたり…山あり谷あり、躁鬱入れ替わる負け犬魂を上手く音楽に落とし込めたのではないでしょうか。

そして、今作は僕のv flower処女作でもあります。
今年一月にTwitterで「v flower購入しました」という報告をしてから約五ヶ月、漸く彼女に出番が訪れました。以前からずうっと使用したい気持ちはあったのですが、タイミングなど色々問題があってなかなか使う機会がありませんでした。焦らしに焦らしまくった末、やっと起用できたことを喜ばしく思います。うちの花ちゃんいかがでしたか?

 

 


■裏話

実を言いますと、前作「ナイトメア・アクアリウム」を投稿した時点では、今作じゃない別の曲を次回作にする予定でいました。しかし、その別の曲のMV作業に取り掛かっている合間、休憩がてら曲を作っていたら図らずもこの曲が生まれてしまいまして。そしてそれを仕上げていく内に段々と、「自分の気持ちとリンクしてる今この瞬間にこの曲を投稿しないと、曲に乗せた自分自身の思いが風化する」という思いが込み上げてきたために、この曲をストックとすることをやめ、順を押しのけて先に投稿しようと思い立ったわけです。

そしてここでちょっとした裏話を。
約一週間ほど前、Twitterにて「今月新曲投稿します」といった旨のツイートをしたわけなんですが、実はこの時点ではミックスはおろかオケすら完成していませんでした。当然ボカロの打ち込みもしてないし絵だって何も用意してない。あるのは歌詞と進捗40%ぐらいのオケのみ。
だけど、前述の通り「すぐさまこの曲をあげないと!」という思いがあったために、後先をあまり考えずその時の衝動だけで予告ツイートをしてしまったわけです。作業中の僕からしたらそれはそれは傍迷惑なクライアントですよ。納期一週間て鬼か。

 

 

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(その裏事情を知っていた友人からの煽りリプライの図)

また、「強引にでも投稿頻度をあげたい」と思っていたから、というのも理由の一つであります。最近の僕のボカロP活動といいますと、前作が4ヶ月ぶりの投稿だったり、曲じゃなくて絵ばっか描いてたりで、なかなか動画の投稿頻度を上げようとしなかったんですよね。怠惰なボカロP根性から改めて気を引き締める目的でこのツイートをしたわけなんですが、内心は間に合うのかどうか不安で不安で仕方なかったです。しかし無事予定通り投稿できて良かったです。これを機に、コンスタントに動画を投稿する癖を培っておきたいですね。もう、数ヶ月間隔を空けるようなことはあんまりしたくない…

 

 


■絵・動画

そういった(自分で課した)納期の問題もあり、今回の絵はあまり複雑なデザインにせずに仕上げました。ベタ塗りの簡素なタッチ、だけど目元周りの描写は繊細に、を心がけました。パキッとした色使いがアクセントになってて、いい感じになったのではないでしょうか。


結果、絵はかなりシンプルに、そしてかなり早いスピードで仕上がってしまったのです。これは凝り性な僕の性格上、困ったことなのです。なぜなら、「このままいつも通り一枚絵MV作ってもつまらんなあ」と、そう思っちゃったからです。

そこから「せっかくだから凝った編集に挑戦してみよう」というスイッチが入るのにあまり時間はかかりませんでした。てなわけで今作は動画編集にかなり力が入っています。目まぐるしい演出により、見る者を退屈させない工夫を凝らしてみました。いかがだったでしょうか。
編集始める前は「今回はアニメMVじゃないし今までよりかはまだ楽だろうなあ」とかほざいてたんですが、動画編集も掘り下げていけばアニメ制作に負けず劣らず大変な作業になるんだということを思い知らされましたね。たった数分のために費やした時間は丸五日、全然楽なんかじゃなかったです。
とはいえ、動画師っていう称号においては僕はまだまだズブの素人です。ここからステップアップしていくなかで、今後恐らくもっと大変な作業を強いられるのでしょうから、本当はこんなとこで弱音吐いてられないです。
先日はニコニコ大百科にて僕の名前に「動画師」という表記を加えて頂いたりもしたので、その名に恥じない技術を磨いていきたいですね。

 

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「テラとは (テラとは) [単語記事] - ニコニコ大百科」より

 

 

 

■まとめ

というわけで、ギリッギリで連月投稿を果たした今作でした。この調子で、月イチペースの投稿を目指していきたいナーなんて考えてます。なにも発表できずにいつまでも負け犬の遠吠えなんて、嫌ですからね。

モチベーション維持にも繋がりますので、よければ動画コメント欄などで感想聞かせて頂けると幸いです。Twitterでの感想リプもとっても嬉しいので送って頂けると泣いて喜びます。泣いて喜びながらリプくれた人の顔ペロペロします。犬なので。
…いや冗談冗談!リプ消そうとしないで!!

色々綴ってはきましたが、"いま成功して幸せな人生を送っている「勝者」だって、もともとは失敗や敗北を繰り返す「負け犬」で、努力や鍛錬を積み重ねたからこそ今幸せでいられてるのだ"、なんてことはよくある話ですから、それを見習ってあんまり卑屈にならないでこれからも努めていきたいですね。

実は今作の真のコンセプトはそういうところにあったりしてて、結局負け犬脱却するためにはやるしかないってことなんですよね。卑屈はこれでおしまい。また泥を啜りながらでも前を向いてみます。

 

次回作もお楽しみに。
それでは。

 

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ナイトメア・アクアリウム

ご無沙汰、テラです。
前作から4ヶ月半ぶりの新曲投稿となります。大変お待たせ致しました。

なぜこんなにも間が空いてしまったのかと言いますと、以下の通りでございます。

 
はい。なんかくどくど言ってますね。
つまり何をしてたのかと言うと、絵の練習をしてたんですよね。「曲を作る人」を一旦辞して「絵を描く人」になって、しばらくの間特訓してました。その証拠に、前作投稿から今作投稿までの間にかなりの量の絵がTwitterやPixivにアップされていると思います。成長過程として楽しんで頂けてたらなら幸いなのですが、曲を聴きたいという方にとっては凄く焦れったいことをしてしまってましたね。申し訳ないです。

というわけで今作はその特訓の成果を顕す為にも、容易にMVを作り上げる訳には行かず、「(一連のツイート曰く)頑張れば2週間で投稿できる」ところを約1ヶ月以上みっちり時間をかけて仕上げたわけです。ちゃんとそれ相応の出来になったかな。気に入って頂けたなら嬉しい限りです。

というわけでいつものように楽曲解説をやっていこうと思います。
長らく「絵を描く人」として修行し、かなりの時間動画制作に向き合ってた身としては、絵とか動画とかMVの話を沢山したいわけなんですがまずは一旦落ち着いて、歌詞やアレンジなど曲についての話に触れていきたいと思います。(MVに関しての話は後半にぎっちり詰まってます)

 

www.youtube.com



今回のテーマは「水族館」。何を隠そう私、水族館が大好きなんです。一面青に包まれた空間って、めちゃくちゃ神秘的で素敵じゃないですか?定期的に行きたくなるんですよね。「好きな公共施設ランキング」ではかなり上位に君臨します。プラネタリウムといい勝負してる。

しかしながら頭に「ナイトメア」とある通り、好きであるにも関わらずあまりハッピーな内容ではありません。(似たようなことを前作の楽曲解説でも書いた気がする)
基本的に悲哀に満ちた世界観になってます。けれど、水族館内の青暗い光や仄かに香る水の匂いというのは寂しげでありつつも凄く美しくて、そういうことを表したくもあったのであんまりにも暗すぎる曲調にはせず、あくまで綺麗なアレンジに落ち着くよう努めました。

実はこの曲、編曲が完遂したのは去年の梅雨ぐらいで、つまりは約10ヶ月以上前から用意されてたものなんですよね。
ざっくりと「エレクトリックな曲調にしよう」という思惑から始まり、じゃあエレクトリックにするなら具体的に何をすれば?と考え、そうして至った方法というのが、「ギターを使わない」という選択でした。

ギター弾きとしては、この条件を前提に作曲をするのは凄く新鮮で楽しかった記憶があります。ギターというのはコードを弾けば簡単に音の厚みが出るし、使うエフェクトによってはエレクトリックな曲調に寄せることもできるし、便利なんですよね。その証拠に、僕も処女作から前作まで全ての楽曲にギターを使用してたりしますし。そんな僕にとってギターを禁止するというルールは、一番使い慣れた武器をわざと手放すという、ある種挑戦のような感じもあって面白かったです。

結果ストリングスやシンセサウンドに頼ることとなったわけなんですが、他にドラムロールやエレクトリックなキック音も多用したおかげで前作とちょっと曲調が似ちゃいましたね。拍子も同じ6/8拍子だし。他の人の楽曲とはもちろんのこと、自分の過去作ともちゃんと差異を施してあげないといけないですね。絵だけじゃなく作曲の方もいろんなベクトルが開拓できるようにもっと頑張っていかないとな。

詞に関しては、言葉選びに凄く力を入れました。曲の世界観としては「水族館にひとり取り残された女の子」が主観になるわけなんですが、どうすれば彼女自身の寂しさと水族館の美しさとの両方を表現出来るのだろうかとずっと試行錯誤していました。というのも、この詞で完成に落ち着くまで過去に二度書き直しているんですよね。全部書き切って、やっぱ違うとなって全部消して、また全部書いて、また全部消して…。
これは自慢なんですが、僕普段はめちゃくちゃ作詞早いんです。いつも30分ぐらいで大方書き切ってしまうんですが、そんな僕にとって「二度も全部書き直す」というのは異例中の異例で、行き詰まってはその度頭を抱えていました。
今作の詞はそんなこんな乗り越えて完成されたものなので凄く思い入れがあります。是非ともゆっくり読み返してみたりもして欲しいな。

そして(僕が)お待ちかね、動画についてのお話に移ろうと思います。

今作MVは「アニメーション」「単体イラスト」「実写映像」という3つの映像表現により構築されています。
アニメーションに関しては前々作「アルベロの思惑」以上に動きある演出、単体イラストに関しては厚塗り調で計4枚分を拵え、実写映像に関しては僕の作品史上初の試みということで、こだわりてんこ盛りのMVとなりました。さながら総合格闘技です。それぞれの表現についての制作秘話的なものを、順に語っていこうと思いますね。

まずアニメーションに関して。
アニメーションは、前述の通り前々作「アルベロの思惑」のMVで使われた表現です。アニメーションはそこで初挑戦致しまして。しかしながら、完成当時はその制作の労苦に打ちひしがれてしまい、MV出来上がってから暫くは「二度とやるかいこんなもん」という思いで過ごしていたものです。
それがこのように、自ら泥に浸かりに行くかのように再び挑戦してしまうのですから人間というのは不思議なもんですね。僕がMなだけかもしれないですけど。

 

実は曲を作っていた当初、今作のMVは単体イラストと実写映像の二つだけで構成する予定でした。しかしながらそれだと表現の幅に限界があると感じて、MV制作に移った段階でやっぱりアニメを入れようと決心したわけです。自ら茨道へ進んだわけですが、おかげで動画自体のクオリティも上がったので後悔はないです。ただ、次回もやるのかと言われると怪しいです。(とか言ってまたやるんだろうなMだから)

そして次は単体イラストについて。
今まで「一枚絵MV」のために"ひとつのイラストだけ"を用意することは多々ありましたが、今回は初めて4パターン絵を用意させて頂きました。そしてイラストの舞台は全て「大水槽の目の前」としました。というのも僕自身、水族館の中で特に好きな場所が大水槽だからなんですよね。

視界には一面の青。悠々と遊泳する多種多様な魚群。左側と右側とで全く違う魚類が行き来し、それぞれでコミュニティが生まれている。まるで海の一部を大きく切り取ったかのように、魚達の生活が展示されている…。
その景色が本当に美しくてたまらなくて、なんとかその感じを表現したくて、今回4度も大水槽を描いてしまいまったわけです。そんでもって写実的なタッチになるようにわざわざ全て厚塗り調で描いてしまったわけです。いったい何百匹魚描いたんだろうか…描き込み多くて大変でしたね。はい、ドMです。

しかしながら水族館好きな割に魚にはあんまり詳しくないので、もしかしたら同じ水槽に入れてはいけない種族を同じ水槽に描いてしまってるかもしれませんが、そこは演出上目を瞑ってねということで。ごちゃごちゃした感じ、ええやん?

そして最後に実写映像について。
MV中幾度も登場しますが、これはフリー素材を使用しているわけではなく、実際に僕が撮影した映像を使っています。フリー素材を使ってもよかったのですが、当時の僕はアホだったのでその発想がなく、使うのであれば自分の撮ったものだろうということで実際に水族館へ足を運んで水槽の中を撮影しまくってたわけです。

そしてこの「当時の僕」という言い方には少し意味がありまして。というのも、撮影した動画ファイルの撮影日データを見返してみると、「2017年9月」って書いてあったんですよね。時期的には僕が処女作をアップした直後ぐらい、つまりは1年半以上前から準備されてあったものだと。
「10ヶ月前に編曲が完遂した」とは言いましたが、そもそもの曲の構成自体はずうっと前から温めていたものなんですよね。詞を書き直しまくってたりしてたのもその過程でのことでして。だから本当に思い入れが強いんですこの楽曲には。こうして長い時間を経て、漸く発表できたことを嬉しく思います。

長々と、本当に長々と綴りましたが、今作に関する楽曲解説は以上です。おそらく今回の記事が歴代楽曲解説で最多文字数ですね。ここまで読んでいただけて嬉しいです。ありがとうございます。


前の楽曲解説の時、最後らへんで「平成が終わるまでにまだ何曲か投稿したいな」とか抜かしてたんですが、見事にその宣言を破ってしまいましたね。申し訳ないです。凝り性故の弊害だと思ってお許しください…。
令和ではもっと投稿頻度を…!と言いたいところですが、また宣言を破ってもアレなのであんまり大きい声で言わないようにします(保険)

もしかしたらお気づきの方がいるかもしれないですが、なんと前々作「アルベロの思惑」から3作品連続「別れの歌」となってしまいました。テラの身に何かあったんでしょうか。やっぱりMだからなんでしょうか(?) 真相は謎です。

ちなみに次回作は全然別れの歌じゃないです。久々に明るい曲調になりそうかな。のんびり待っててくださいね〜次回もお楽しみに!

それでは。

 

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オフィシャルサイトリニューアルのお知らせ

 

久々のブログ更新です。

 

と言えどもただの報告というかお知らせなので、そんなに日常的なことを綴るつもりはないです。そんでもって変更点だとか新情報だとか、伝えなければいけないこと盛りだくさんなので淡々と行きますね、淡々と。

 

まず始めに、僕の公式サイトがリニューアルしました。

 

www.terarhythm.net

 

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全体のデザインを一新し、より見やすく、かつスタイリッシュな見た目へと変化させました。サイトロゴも新調しています(かなりお気に入り)。そして各ページのヘッダーを見てもらえれば分かる通り、ここ数日連続でTwitterにあげてた「fileシリーズ」(いま名づけた)は実はこのサイトのために描いていたものでした。

 

 

 シリーズもの、と言ってもめちゃくちゃ短編ですが、今回みたいな「コンセプトをもって連続で絵を描く」という経験は初めてだったので楽しかったですね。ちなみに各イラストについてるタイトルはその場その場で考えてるものでして、漠然とした世界観はあるものの、特に深い意味はないのです。ただ、絵を見てくれた人に少しでも世界観が伝わってくれたのなら僕としてはうれしい限りです。是非個々に考察を思い描いて楽しんでいただきたいですね。

 

 

そしてデザインのみならず、URLも新調いたしました。今日から晴れて独自ドメインです。見栄えがよろしくて、まあ地味な変化なんですが、個人的に一番嬉しい出来事だったりします(ロゴにも無理くり挟んだぐらい嬉しい)。

 

あと実は、これもめちゃくちゃ地味な変化なんですけど、サイト名を

「TERA RHYTHM」

から

「TERARHYTHM」

へと変えました。多分これ言わなきゃ誰もわかんなかっただろうな。改名の意図としては、ただ単に「2単語より1単語のほうがすっきりして見える」と思ったからということだけです。深い意味はないです。

 

しかしながら、「テラリズム」という言葉にはちょっとばかし思い入れがあります。

『活動名の「テラ」と音楽っぽい言葉である「リズム」を組み合わせただけの安易な考え』ではあるんですが、それに決め込んだ理由というのも同時にありまして。

というのも、僕の尊敬するイラストレーターにさいとうなおきさんという方がいまして、その方の運営してらっしゃる公式サイトの名前が「チラリズム」だったことが由来になっています。破廉恥なワードとして扱われている文字列にもかかわらず、コミカルに、そしてどこかスタイリッシュに扱っているのが素敵だなと思いまして、そこに着想を得た感じです。

「テラリズム」って字面凄い頭悪そうなのに「TERARHYTHM」って英語表記になると凄いカッコよく見えるじゃないですか。そこのギャップに惹かれて採用した言葉なのであります。

…カッコよく見えない?僕にはカッコよく見える。以上。

 

そして前回のサイトと比べて見てもらえれば分かる通り、新たなページが追加されています。

「DISCOGRAPHY」「GOODS」というページが追加されたわけなのですが、実質現在工事中です。これから先、僕の手から皆さんの手へと渡る作品媒体が出来上がればこのページは潤い始めるのですが、それまではまだ空っぽの状態ですね。ハコだけ作っちゃった、みたいな。しかし、将来的にそういった媒体を作って皆さんのもとへとお届けすることは活動当初からずっと目標にしてることのひとつなので、いつかきっと更新される日が来ると思います。気長に待っててください。

 

そしてもう一つ「GALLERY」というページも追加されています。このページでは気まぐれにイラストを載せていこうかなと緩く考えています。あくまで、「気まぐれに」「緩く」、です。ページとして設ける必要もなかったかな?とは思ったのですが、こういうページがあるだけで、「何か描こう」と創作意欲が掻き立てられる部分もありますから、絵を描き始めるにあたってのモチベーション的に使おうと考えています。いつか、このページでしか見れない絵だとか漫画だとか用意してみたいな。

 

これからデザインがちょくちょくマイナーチェンジしたりするかもしれませんが、サイトに関する現時点での変更箇所はこんな感じです。

 

 

そして次に、ブログについて。

僕の楽曲解説の記事を前サイトで見てくださってた方にとっては、この記事に飛んだ瞬間に「なんか前と違う?」となったかもしれません。その通り。前まではサイト内でブログを運営していたのですが、若干の使いにくさを感じていたため、この度はてなブログを開設させていただきました。

かといって、使い方としては特に変わりません。今まで通り楽曲解説をつらつら書き綴るだけの場所になると思います。あと今回みたいにお知らせがあれば書くぐらい。

…とは言え「せっかく場所を変えたんだからちゃんとやったほうがいいのでは?」という思いも少なからずあるので、気が向いたらブログっぽい記事を書くかもしれないです。好きなアーティストの新盤レビューとかやろうかな。やるのかな。まだ未定ですが、あんまり期待はしないでください(でももし書いた時は見てほしいな)。

 

そんでもって、はてなブログ開設ということで調子に乗ってブログ専用の名前もつけてみました。「TERAISM」(テライズム)、いいでしょ。

公式サイトの名前から語感だけを引き継いだ感じですね。でも「ism」って「主義」「学説」とかそういう意味を持ってる単語ですから、文字を書き綴る場所としてはちょうどいいネーミングなんじゃないかなあなどと思ってまして、結構気に入ってます。デメリットは口頭だと公式サイト名と判別つきづらいところ。

 

それと、需要があるかはわかりませんが前ブログで掲載してた過去の記事もこちらに移行しておきました。以前までの楽曲解説、今まで通り読めます。

 

そして最後に、アイコンも新調しました。

「わざわざ報告するほどのこと?」と思われるかもしれませんが、僕にとっては結構大きな出来事です。というのも、前のアイコン、実は活動当初から一度も変えたことがなく、今回が初のアイコン替えということで個人的に感慨深い思いでたくさんなのです。

 

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最近僕のことを知ってくださった方はご存じなかったかもしれませんが、このアイコンは僕の実妹であるここ子が描いてくれたものなのです。

 

 

今でこそ僕は絵を描く人間ですが、活動開始当時の僕はそうではなかったので実妹に依頼をしたというわけです。このアイコンを描いた当時、彼女は13歳…兄として誇らしい画力です。1年半お世話になりました。是非彼女の創作活動も応援して頂けると嬉しいです。

 

そして親離れならぬ妹離れということで(すごくシスコンぽい響き)今日から僕自身が描いた絵を僕のアイコンとして使っていくことになりました。

 

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前アイコンから一気に印象変わりましたね。だからと言って僕自身、特に変わることもないです。アンパンマンがバタコさんに新しい顔へ取り替えてもらったとて、アンパンマンアンパンマンであることに変わりないように、僕も変わらないです。こんな骨々しいアンパンマン嫌だけど。

 

 

長々と綴ってきましたが、お知らせとしましては以上です。

全体を読んでいただければわかる通り、ビジュアルだとかが変わっただけで、これまでの活動から特に変わったことというものはありません。しかしながら、僕なりのけじめといいますか、区切りというものを打ったつもりではあります。

今後本格的な活動を始動していくのであれば、本格的な土台が、本格的な拠点が必要だろうと、そう思っての行動でした。これを自分なりのリスタート地点として、これからも頑張っていきたいと思います。よろしくお願いします。

 

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ではこのツイートで宣言した通り、新曲MV制作に移りたいと思います。

久々のMV制作~~~~~~投稿楽しみにしててくださいね。

 

それでは。

 

 

p.s.実はTwitterのIDをこっそり「tera1012_17」から「tera1012_」に変えてました

Christmas Candle

この冬の寒さに余裕ぶっこいてたら10日間風邪が治りませんでした。メリークリスマス、どうもテラです。

皆さん、年中行事で一番好きなイベントってなんですか?
僕は作品にしてる時点でお察しですが、クリスマスが一番好きです。

まだ僕にサンタさんがいた頃は、25日がやってくるのが本当に楽しみで仕方なかったのを覚えています。起きたら自分の欲しいものが枕元にあるって今考えたらやばくないですか?今の僕にまだサンタさんがいるとするなら、今年の25日の枕元にはきっとテレキャスが置いてあるのだと思います。TOKAIのATE112S買ってください。
そしてクリスマスの時期、電飾で彩られ賑わう街並みを見てワクワクする感覚も凄く好きでした。街並みに限らず最近は住宅街とか凄いですよね。個人でガチイルミネーションしてる家ありますよね。購入費と電気代だけでテレキャス買えそう。TOKAIのATE112S買ってください。

 

youtu.be


さて僕の熱烈なクリスマス愛を語り終えたところで本題に移ります。クリスマス主軸の今作、こんだけ好きアピールしてる割に曲は結構暗い内容です。
テーマは「命」と「蝋」。
このふたつって結構関連性を帯びることが多いですよね。誕生日では今まで生きてきた年数分ケーキに蝋燭の火を灯すし、蝋燭の長さを寿命に喩える表現も少なくない。今回はそんな特徴に焦点を当てて創作に望みました。「蝋」に「今は亡きあなた」を投影した詩世界になっています。生き別れたあなたを想う一人きりのクリスマス、今風に言うならばクリぼっちの歌ですね。一気に安っぽくなってしまった。今の忘れてください。

そういやこの間歌詞メモのデータを調べてみたんですけど、リリックが完成したの今年の1月だったんですよね。つまり、去年のクリスマスが終わった直後から制作が始まっていたと。でもそれはしばらくの間ストックとして放置されていたので、作曲とかアレンジとかちゃんとした制作が始まったのは今年の11月頃で割と最近なのです。
Twitterでちょこちょこ書いてたように、テスト期間が被ったことにより今回の制作は本当にギリギリを極めていました。試験期間が終了した時点で、用意出来ているのは歌詞とオケだけ、ミクの調教とギターREC、ミックスにイラスト・編集という怒涛の作業が待っており、しかもクリスマスまであと2週間もない、といった状況でめちゃくちゃハイスピードで仕上げました。季節は待ってくれないですから必死でしたね…クリスマス時期に投稿が間に合ったこと、とても喜ばしく思います。このタイミングで投稿できなかったらもう1年待たなきゃだったわけですから。

イラストに関して。クリスマスツリーが寂しげに飾られる暖炉部屋に白衣装の女性が1人佇み、前方には静かに蝋燭の灯が灯る、この構図も歌詞同様めちゃくちゃ前から構想してたものです。着手したのは最近ではありますが。5日で仕上がったのはほんとにファインプレーだ…しかしながら絵が上手い人から見ればまだ詰められる要素はあるし直すべき点も多いでしょうから、じっくりよく観察して描くのが一番いいんですけどね。今回はクリスマスっていう期限があったのでかなり急ピッチで仕上げたわけですが、次回からは落ち着いたお絵描きを心がけたい…

そして曲について。今回初めてアコギが導入されました。それも打ち込みじゃなく実際に弾いたやつです。生憎いい録音マイクを持っておらず、かと言って新たに買えるようなお金も持ち合わせてなかったので、手持ちのiPhoneで簡単に録音した音源を使用しております。バチバチにホワイトノイズ入ってますが、もの寂しげな空気感を演出したかったのでこのチープさが逆にいいのかもとか思ってます。聴いた感じいかがでしょうか?
クオンタイズ(リズムズレを直す加工)も敢えてあまり施さずに、ちょっとだけリズムからズレるリアル感で、クリスマスの華やかな伴奏からひとり乖離する寂しさを表しました。
ミクの声もいつも以上に寂しげに調整いたしました。個人的にラストサビ前の「Ah〜」がめっちゃ気に入ってます。みんなもよく聴いてみてね。

自分の中では長らくあっためておいた作品だったのですが、なにぶん制作期間が短かったのであっという間に作り終えたって感覚がします。1月から作ってたのに、不思議なもんですね。でも結果的には12ヶ月分のクリスマスへの思いが込められてるわけですからこれはサンタさん発動してもいいのでは?TOKAIのATE112Sね??

平成は終わろうとしてますが僕の物欲は全然終わらないみたいです。来年度の年号なんでしょうね。「平成が終わる…」よりも今はそっちの気持ちの方がでかいです。
でも平成が終わるまでにまだ何曲か投稿したいな。楽しみにしててください。

今作はシーズナルなテーマとなりましたので、旬として聴ける期間は凄く短いですが、大切な曲なのでぜひ沢山聴いて頂けると嬉しいです。

では。

 

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アルベロの思惑

アルベロ(Albero)はイタリア語で「木」を意味する言葉です。

 

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どこで見かけた言葉なのか忘れてしまったのですが、この単語を発見してからというもの、妙に気に入ってしまって、この単語をどうにか使いたい一心で一曲を作ろうとしたのが始まりです。
今回のテーマは「木とふたり」、「変わりゆくあなたと変わらない木の部屋」となっています。
そのまま普通の木のイメージから作り出すのもありだったのですが、あえて“木材“という捉え方をして作り上げました。家の中というのは割と沢山の木で囲まれているもので、僕にはそれがまるで生活している人間を俯瞰しているかのように見えたんです。僕ら人間は、成長したり誰かと喧嘩したりまたは愛を育んだり、様々な側面を家という俯瞰者に晒している。そんな情景を歌にしようとしたのがきっかけです。

詞に関して。この曲は、1番が「あなたとのなんでもない幸せな日々」なのに対し、2番以降からは「浮気されたけどあなたのこと忘れられない辛い日々」という急展開で構成されています。
どうしてこうなったのかという理由。まず作詞の初期段階では、1番までの幸せ描写だけが用意されていました。そのまま幸せルートでいけばいいものを、1番の詞の最終行に引っ掛かりを覚えてしまい、“どっか行っちゃうのが不安ならどっか行っちゃう展開にしよう“という悪いスイッチが働いたせいで、急カーブをかけた展開になってしまったというのがことの経緯です。でも結果ドラマチックなストーリーとなったので僕個人としてはとっても満足です。これまた個人的な話なんですが、細やかな描写を多めに入れたことでうまく世界観を表現出来たのが嬉しかったです。あんまりこういった表現をする曲を作ってこなかったので新鮮でした。

続いて曲に関して。
ちょっと曲に関係ない話にはなるのですが、前作「肺胞に潜る」を投稿した後ぐらいから、“色んなボカロPさんと交流を持っていこう!“という試みを始めてました。それにより、自分が触れたことの無い音楽性を武器にしてる方に沢山出会うことが出来て、多くのインスピレーションを得ることが出来ました。有難いことに僕と交流を持ってくださった数々のボカロP、その中の一人である「あ子」さんという方の楽曲に出会ったことが今楽曲のアレンジへ多大な影響を与えました。

 

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(今見てみたらアレンジだけじゃなくMVまで影響されてた)

ともかく、このジャジーな音使い。有無を言わさず「オシャレだな」と思わせるギターとピアノの音運びに惚れ惚れしてしまい、“これは自分の曲に取り入れなければ!“といった訳で今回はジャズっぽいアレンジとなったのです。前置きが長かったですね。
それにしてもジャズなんて高貴なもの、聞き馴染みがあまり無かったので仕上げるのには少々苦労しました。音楽理論の知識量がダイレクトにクオリティに直結するジャズというジャンル…浅学理論人にとっては苦戦を強いられる作曲道でした…。結果、小技を重ねたことで聴ける程度には仕上がったと思います。ガチガチのジャズを身につけるのはまだ遠い先となりそう…。


そして今回一番こだわったのがMV。初のアニメーションに挑戦致しました。(アニメと言うほど動きはないのですが)
パッと見て気付いた方が多数だとは思いますが、その通り。のオマージュです。昔からこういった映像を作ってみたいという願望があったので、今回思い切って挑戦してみました。
合計約150枚のイラストを描き下ろしました。イラスト制作だけで1ヶ月以上。睡眠・食事・入浴以外で使える時間の殆どをイラスト作成に割いて奮闘致しました。右手の酷使ゆえにいつ右肩脱臼してしまうのかと戦々恐々としてたレベルで奮闘致しました。同じ線を何度も何度も繰り返しなぞる作業は正直苦痛でしたが、こうして完成した今を思うとよく頑張ったなあと素直に喜ばしいです。今までで1番力の入った出来になったと自負しておりますので、どうぞ大切に見て頂けると幸甚の至りです。そして何より、の化物じみた創作力を、身をもって再確認出来たのも良き体験でした。やっぱりは本当に凄い……。

前作から今作までの間、他ボカロPさん達との交流もあって、個人的にはかなり濃密な1ヶ月半でした。その経験を踏まえてこの作品を世に出せることを誇りに思います。
どうか大切に聴いてやってください。

 

それでは。

P.S. の影響もかなり色濃く出てたみたいです。

 

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