肺胞に潜る
今年の7月に肺気胸を患いました。
「気胸(ききょう、Pneumothorax)は、胸腔内で気体が肺を圧迫し、肺が外気を取り込めなくなった状態である。 」(Wikipediaより)
簡単に言うと、肺に穴が開いて呼吸しにくくなる病気のことです。
Wiki内にも記されているようにあまり知名度は高くないようで、僕の周りにこのことを伝えても「キキョウ…?」と素っ頓狂な顔をされることが多かったです。
肺に穴が開くって、健康な方には想像しがたいかもしれませんが、実際結構苦しいです。
きっと人間が生きてる中で一番多くしている行為が呼吸だろうと思うんですが、その行為をするたびに苦しくなるのですからたまったもんじゃありません。意識朦朧。「もうろう」はともかく「しき」って漢字が思い出せないくらい脳がパンクしてました。
そんな閉塞感を歌にしたのが今回です。
ひたすらに苦しいと自分の頭の中がごちゃごちゃになって、いろんな景色だとか感情だとかが
カオスに入り混じるようになるみたいです。それゆえに、今回は詞がかなりうるさい感じになりました。
それと「自分の脳内」の感じを表現したかったので、いたるところに僕の尊敬する方たちのオマージュが入っています。「ここのギターのフレーズもしや?」とか「この歌詞ってもしかして?」とか、ぜひ見つけてみてください。まあどれが正解って言及はしませんが。
曲についてちょっと難しい話をすると、今回は主旋律がサビでスケールアウトしまくってます。不安定感漂うメロディラインはそこからのものだと思ってください。それに、初めて転調というものに挑戦しました。サビ以外がEマイナーキーで、サビはAマイナーキーとなっています。結構地味な転調なのであんまり気づかれないかもしれませんが、初の試みということで個人的には興奮ものです。
絵は正面立ち絵の一枚絵です。この位置取り、三回目です。だって映えるもんね。
思えばMV用にモノクロで人物を描いたのも初めてですね。肌も服も真っ白にして病感漂う感じに仕上げました。個人的には背景のホスピタルなカラーリングが気に入ってます。淡い緑って病棟の床っぽくないですか?
病気をきっかけに作られたというなんとも皮肉な一曲ですが、かっこよく仕上がったのでぜひたくさん聞いてくれると嬉しいです。1再生ごとに僕の肺が強くなります。
それでは。